安酒一杯

「常識で考えろ!」「普通に考えたら分かるだろ!」子供の時に怒られた。でも、「常識」ってなに?「普通」って?大人になってから考えてみた。

障害者は健全者に劣らない

障害者というと健全者に比べ何かの点でハンデキャップがあるかのような考えがあるが、それは間違っている。

障害は1つの個性であり、それがマイナスに働くかプラスに働くかは環境による。

植物界一の繁栄を誇る小麦、あれも言わば所謂「障害者」にあたる部類だ。

野生の植物は繁殖の為に種子をばら撒く仕組みがある。小麦であれば成熟後に穂が風で簡単に飛び散るようになっている。

しかし、現在世界中で栽培されている小麦はこの穂が飛び散る特性を持っていない。その要因は人類だ。人間が栽培をする上で穂が飛び散ってしまうのは収穫の面から好ましくない為、突然変異で穂が飛ばない小麦ばかりを育てる事により、品種淘汰していった。

「穂が飛ばない」というのは小麦にとってみれば障害だろう。種の繁殖ができない、大多数に備わっている機能が備わっていないことだからだ。しかし、実際に世界を制したのはこちらの障害を持つ小麦だ。そして、その結果を生んだのは人類の農業事情という環境だ。

障害が不利になるか、有利になるかは環境次第でどうとでも転ぶ。

障害は必ずしもハンデキャップではない。