安酒一杯

「常識で考えろ!」「普通に考えたら分かるだろ!」子供の時に怒られた。でも、「常識」ってなに?「普通」って?大人になってから考えてみた。

ネガティブな感情は悪いの?

恐怖・悲しみ・嫌悪・怒り、これらネガティブな感情は悪いのものなのだろうか?

もし悪いもの・不要なものであれば、なぜ人間の身体(遺伝子、脳、細胞を含めた人の体)はネガティブな感情を捨てなかったのか?何千年もの間、人は死と誕生を繰り返してきたにも関わらず。要らないものであれば進化の過程でそれらの機能は退化させ、無くしても良いのではないか?

もしかしたら、現在これらネガティブな感情は不要だと人間の身体は判断し、遺伝子から消去しようとしている最中なのかもしれない。ただ完全に取り去るには長い年月がかかる為、不要なものにも関わらず身体に残っているのかもしれない。

そうだとしても人の身体は今迄の数千年間はネガティブな感情を必要だと判断し、残してきた。であればネガティブな感情は悪いものではなく、不要なものでもなく、むしろ人間にとって必要不可欠なものではないだろうか?

例えば「恐怖」にはメリットとして状況から危険を予測し、それを避け、生存確率を上げる事ができる。仕組みは(1)恐怖を感じ(2)その時の環境や刺激を恐怖に結びつけ(3)似た環境や刺激に出会った時(4)恐怖を起こす。という流れだ。

また「怒り」は戦闘を行う為に一時的に能力を上げる効果がある。怒りが起こるとアドレナリンが分泌される。アドレナリンとは例えばスポーツで興奮した時に出ていると言われるものだ。このアドレナリンは痛みを感じにくくさせたり、運動機能を向上させる。結果戦闘でのパフォーマンスが上がり、生存確率を上げる。

この様にネガティブな感情には何かしらの人間にとってのメリットがあり、だからこそ数千年間も人の心に残っているのだと思う。ネガティブな感情は悪いどころか、必要不可欠なものだと考える。