世界の残酷さを誤魔化さない
私達の生活は残酷な行為の上に成立している。
美食の為に動物は生を受けてから屠殺されるまで管理され、場合によっては狭い檻の中で一生を過ごす。社会の発展の為、実験により強制的に不健康にされたり、幸せとは程遠い改造を施され、不要になれば殺される動物もいる。
動物だけではない、同種の人間だってそうだ。世界は未だ貧困に喘ぎ、1日4万人が餓死している。
その一方で生涯を掛けても享受出来ない程に、娯楽に溢れかえった生活を送っている者もいる。私もその1人だ。恵まれた日本に生まれ、生きている。
ここで「生活を変えるべきだ」とは言わない。ベジタリアンになり、生活水準を落とし、ボランティアに一生の大半を捧げることは恵まれた殆どの人が出来ないだろうし、私も出来ない。
しかし、だからと言ってこの残酷さを知っているのに知らないフリをしてはならない。見たくないものに蓋をし、さもそんなものは無いかのように綺麗な部分だけを見て過ごす。これは残酷さを見て何もしない人よりも、残酷な生き方だと思う。