働かないのは悪いことなの?
「働くのが普通だ」
「働かない人は社会の足を引っ張っている」
このような考えを持つ人は少なからずいるだろう。この為にニートや無職が生き辛い社会になっていると思う。
しかし、上記の考えは正しいのだろうか?
結論を言うと、働いている人を含めてほぼ全員が社会の足を引っ張っていると考える。
普通とはどういう事かについては以下の記事を見て頂きたい。
ここでは、「働かない人は社会の足を引っ張っている」という意見について考えてみる。
足を引っ張るとは社会から受けている恩恵より貢献が少ないことを言うのではないだろうか?
そうであれば我々は社会からどれ程の恩恵を受けているのだろうか?
国税庁のHPによると平成30年度の当初予算は97兆7,128億円とのことだ。
日本国民を1億人とすると、年間で1人当たり約97万円が使われていることになる。
つまり、年間で97万円以上税金を納めていなければ、国が自分に対して使うお金(恩恵)より納めるお金(貢献)が少ないことになる。
では、97万円以上税金を納めるにはいくらの収入があればいいだろうか?
会社に勤める場合だと年収で400〜500万円が必要になる。金額に幅があるのは人によって税金が違うからだ。具体的に言うと、結婚相手がいたり、子供がいると税金が安くなる。
税金は給料を貰う時だけでなく、使う時も払っている。酒税やタバコ税など物によって掛かる金額は違うが、仮に消費税のみで考えた場合は税率8%なのだから200万円を使っても16万円にしかならない。
では年収400〜500万円が必要だとして、実際の平均年収はいくらだろうか?
国税庁によると平成29年度の1人当たりの平均年収は432万円だそうだ。
この数字を見ると人口の半分近くが自分に使われている以上の税金を納められてない。(ちなみに私も納められていない。)
さらに税金には国から使われるもの以外にも、都道府県や市町村から使われるものもある。それを考えると年間で97万円よりさらに多くのお金が自分達に使われている。
注意しなければならないのは仮に自分に使われている金額以上に納めていたとしても、その金額に達するまでにも自分に対して使われている分があるという事だ。
簡単に言えば、学生の間に使われた税金の分、年収が高額に達するまでの分、言わばツケがある。参考までに国と地方が負担した小学校〜高校における1人当たりの教育費は1,140万円だ。(平成27会計年度全国平均)
さらに、退職後〜死亡の間に使われる分もある。
以上を考えると年収400〜500万円を遥かに上回る金額を稼ぎ続けなければ、自分に使われた以上の金額を納めることはできない。
97万円/年の税金を払いつつ、今までのツケ(学生時代に自分に掛かった税金)とこれからの支払い分(退職後〜死亡間に自分に掛かるであろう税金)を払って始めて、トントンだ。
そう考えると、殆どの人が社会の足を引っ張っている。