教えるってどういうこと?
「教える」というのは凄い技術だ。
どのくらい凄いかと言うと、その能力があれば大金や地位、名誉が手に入るぐらい凄い。
例えば、池上彰さんや林修さんは「教える」という技術であれだけTV番組に出演している。
失礼な話、あの2人はそれだけでTVに出れる程の顔の良さは無いし、話の面白さも芸人さんに比べると見劣りする。
それでも、冠番組を持ち、あれだけ活躍し続けているのは「教える」技術が優れているからだ。
では、この「教える」とは何なのだろうか?
「教える」は、3個の行程に分解できる。
伝える→理解させる→納得させる
この3つだ。
「伝える」はどんな方法をとっても良い。言うのでも良いし、手本を見せても良い、文字で書いても良い。でもこれだけじゃダメだ。
次に「理解させる」必要がある。当たり前だが、教える相手は自分とは違う。文化、時代など育った環境が違うのだから、思考回路が違う。
例えば、英語しか分からない人に日本語で伝えても理解されない。
また、江戸時代の攘夷思想(外国人を排斥する考え)を持った人がタイムスリップで現れたなら、まずグローバル社会の考え方から説明しなければいけない。
つまり、相手の立場を考え、どの様な伝え方をすれば受け手が理解できるかを考える。
最後に、「納得させ」なければならない。これは筋が通っているかどうかだ。納得した後には自分の教えた内容に対し、採用・不採用の判断を下す。その後は相手の言動に変化が起こる。
たとえ相手が自分の言ったことを理解できていても、納得のいくものでなければ相手には受け入れられない。
逆に、相手が納得いけば、言った内容が仮に事実でなかったとしても、相手の言動に変化が起こる。
例えば、小さい子供に対し、「サンタさんはいい子の所にしか来ない。だからいい子にしなさい。」と言えば、子供はいい子にする。何故ならその子が納得したからだ。
同じことを高校生に言ってもいい子になるという行動は取らないだろう。
(勿論、サンタは存在する。)
つまり、教えるには、まず相手がどんな思考回路を持っているかを考える。それに基づき、どの様な内容であれば相手は筋が通っていると感じるかを考える。そして、その相手に伝えるにはどんな伝達方法が良いかを考える。
大切なのは「自分が伝えたか」ではなく「相手に伝えたか」、「自分が納得したか」ではなく「相手が納得したか」だ。
これを考えないと大声で同じ内容を繰り返し言うことが「教える」だと勘違いしてしまう。